家族

母が要介護認定を受けて、介護保険で使えるサービスの資料をもらいました。訪問、通所、宿泊、施設と種類が多くて、何がどう違うのか分かりません。

編集部

介護保険のサービスは、大きく「居宅サービス」「地域密着型サービス」「施設サービス」の3つに分かれます。まず全体像をつかんでから、気になるサービスの詳しい記事に進むと整理しやすくなります。

大きく3つの分類がある

家族

3つは、どう違うのですか。

編集部

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、次のように分類されています。

介護保険サービスの3つの大分類

  • 居宅サービス: 自宅で暮らしながら、訪問・通所・宿泊などを利用するサービス。12のサービスが定められている
  • 地域密着型サービス: 身近な地域での生活を支えるサービス。10のサービスが定められている
  • 施設サービス(介護保険施設): 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院の3種類に入所して受けるサービス
編集部

このほかに、ケアマネジャーがケアプランを作る「居宅介護支援」があります。また、要支援1・2の方が使うサービスは「介護予防サービス」として別に分類されています。

居宅サービスの主な種類

家族

自宅で暮らしながら使えるサービスには、何がありますか。

編集部

公式の分類では12のサービスがあります。用途ごとに並べると、次のようになります。詳しい内容は、それぞれの記事で整理しています。

用途サービス名詳しい記事
自宅に来てもらう訪問介護訪問介護でできること・できないこと
自宅に来てもらう訪問入浴介護訪問入浴介護は週に何回使える?
自宅に来てもらう訪問看護訪問看護とは
自宅に来てもらう訪問リハビリテーション(リハビリの専門職が自宅を訪問する)
自宅に来てもらう居宅療養管理指導高齢者の飲み忘れ・服薬管理
日中に通う通所介護(デイサービス)デイサービスの選び方
日中に通う通所リハビリテーション(デイケア)デイケアとは
短期間泊まる短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)ショートステイの空きが見つからない
住まいで受ける特定施設入居者生活介護有料老人ホーム・サ高住・特養の違い
用具を使う福祉用具貸与・特定福祉用具販売福祉用具貸与と特定福祉用具販売の違い
編集部

特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の説明では、指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどが、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練を提供するサービスとされています。なお、医師が定期的に自宅を訪れる訪問診療は、介護保険ではなく医療保険のサービスです。詳しくは訪問診療・在宅医療とはをご覧ください。手すりの取り付けなどの住宅改修は、居宅サービスの12種類とは別の給付で、介護保険の住宅改修で整理しています。

地域密着型サービスとは

家族

地域密着型サービスは、居宅サービスと何が違うのですか。

編集部

大きな違いは、利用できる人の範囲です。厚生労働省の解説では、「『地域密着型サービス』を利用できるのは、原則としてサービスを提供する事業者のある市町村に住む人に限られます」とされています。他の市町村の事業所は、原則として使えません。

地域密着型サービスに含まれるもの

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 地域密着型通所介護
  • 療養通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)
  • 看護小規模多機能型居宅介護
編集部

このうち小規模多機能型居宅介護は、厚生労働省の説明によると、「『通い』を中心として、短期間の『宿泊』や利用者の自宅への『訪問』を組合せ」て提供されるサービスです。1つの事業所で通い・泊まり・訪問をまとめて受けられるため、状況に応じて使い方を変えたい場合の選択肢になります。

施設サービス(介護保険施設)の3種類

家族

施設に入るときのサービスは、どうなっていますか。

編集部

介護保険が使える施設は、次の3種類です。厚生労働省の説明では、いずれも要支援1・2の方は利用できません。

介護保険施設の3種類

  • 特別養護老人ホーム(特養): 常に介護が必要な方の入所を受け入れ、日常生活の支援や機能訓練などを行う。原則として要介護3以上が対象。詳しくは特別養護老人ホームの入所条件と費用を参照
  • 介護老人保健施設(老健): 「在宅復帰を目指している方の入所を受け入れ」、リハビリテーションや必要な医療、介護などを提供する
  • 介護医療院: 「長期にわたって療養が必要である方の入所を受け入れ」、療養上の管理、看護、介護、機能訓練などを提供する
編集部

同じ「施設」でも、特養は生活の場、老健は在宅復帰を目指すリハビリの場、介護医療院は長期の療養の場と、役割が異なります。民間の有料老人ホームなどとの違いは、有料老人ホーム・サ高住・特養の違いで整理しています。

要支援の方が使うのは「介護予防サービス」

家族

要支援と認定された場合は、使えるサービスが違いますか。

編集部

はい。要支援1・2の方が使うサービスは、居宅サービスに対応する「介護予防サービス」や、地域密着型サービスに対応する「地域密着型介護予防サービス」などとして分類されています。たとえば地域密着型では、要支援の方向けのサービスは3種類で、要介護の方向けの10種類より少なくなっています。また、前述の3つの介護保険施設は、要支援1・2の方は利用できません。要介護度ごとの違いについては、要介護認定とはをご覧ください。

使い始めるまでの流れ

家族

結局、どうやって選んで使い始めればいいですか。

編集部

サービスは自分で1つずつ探すのではなく、ケアマネジャーがケアプランとして組み合わせるのが基本です。

サービスを使い始めるまでの流れ

  1. 市区町村に要介護(要支援)認定を申請し、認定を受ける
  2. ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)を決める。要支援の方は地域包括支援センターが担当する場合もある
  3. 本人や家族の希望、体の状態、家の環境を伝え、ケアプランを作ってもらう
  4. ケアプランに沿って、事業所と契約してサービスを使い始める
編集部

ケアマネジャーが合わないと感じたときは、ケアマネジャーを変えたいときも参考にしてください。

どこに相談すればいい?

家族

まず誰に相談すればいいでしょうか。

編集部

すでにケアマネジャーがいる方は、まずケアマネジャーに、今困っていることを具体的に伝えてください。まだ認定を受けていない方や、誰に相談していいか分からない方は、地域包括支援センターが最初の窓口になります。

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. 今の状態だと、どんなサービスを組み合わせるのがいいですか?
  2. 自宅で暮らし続けるために、優先して使ったほうがいいサービスはどれですか?
  3. 近くに、地域密着型サービスの事業所はありますか?
  4. 将来、施設への入所を考える場合は、いつごろから準備を始めればいいですか?
  5. 要介護度が変わったとき、使えるサービスはどう変わりますか?

まとめ

分類主なサービス特徴
居宅サービス訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具貸与など(12種類)自宅で暮らしながら利用する
地域密着型サービス小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護など(10種類)原則、事業所のある市町村の住民が対象
施設サービス特養、老健、介護医療院入所して受ける。要支援1・2は利用できない
介護予防サービス要支援1・2の方向けのサービス地域密着型では3種類(要介護向けは10種類)
家族

全体の地図が見えたので、気になるサービスから順に調べてみます。

編集部

はい。1人で組み合わせを決めようとせず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら進めてください。

出典・参考