母の認定の更新結果が届いて、要介護2から要介護1に下がっていました。身体の状態は悪くなっているように見えるのに、なぜでしょうか。サービスも減ってしまうのでしょうか。
介護度が下がると、変わるのは主に「使えるサービスの量の上限」と、要支援になった場合の相談窓口です。ただし、介護度が下がったことは、支援が要らなくなったという意味ではありません。理由や変わること、納得できないときの進め方を、公式の資料で順に確認します。
介護度が下がると、どうなる?
結局、何が変わりますか。
介護度が下がったときに、確認しておきたいこと
- 居宅サービスの月の上限が下がる(要介護2は197,050円、要介護1は167,650円)
- 要支援になると、ケアプランの相談先が地域包括支援センターに変わる
- 要介護1以下では、一部の福祉用具が原則として借りられなくなる
- 結果に納得できないときは、見直しの手続きがある
介護保険料が要介護度では決まらない点は、介護度が上がるデメリットはある?で確認しています。介護度が下がっても、同じ考え方です。
なぜ、身体が悪くなったのに介護度が下がることがある?
母は前より動けなくなったのに、認定が軽くなりました。おかしくないですか。
春日市の案内では、「介護認定は身体状態のみで決まるのではなく、身体機能の状態や認知機能の状態、介護の手間などを総合的に判断して決定しています。」とされています。続けて例として、認知症のある人が骨折して動けなくなった場合を挙げ、「動けなくなったことにより認知症の周辺症状が起こらなくなった場合、総合的に見て介護度が変わらないことや軽くなることがあります。」と説明しています。
身体の状態だけでなく、認知機能や介護の手間も見て判断される、ということです。調査で伝えることは、介護保険の区分変更とはでも整理しています。
自己負担と、使えるサービスの量はどうなる?
サービスの量は、すぐ減ってしまうのですか。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムは、「居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められています。」と説明しています。同じページに載っている、居宅サービスの1か月あたりの利用限度額は次のとおりです。
| 要介護度 | 居宅サービスの1か月あたりの利用限度額 |
|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 |
| 要支援2 | 105,310円 |
| 要介護1 | 167,650円 |
| 要介護2 | 197,050円 |
| 要介護3 | 270,480円 |
| 要介護4 | 309,380円 |
| 要介護5 | 362,170円 |
同じページに「限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。」とあります。そのため、今のサービスの量が新しい上限を超える場合は、超えた分が全額自己負担になります。要介護2から要介護1に下がると上限は29,400円、要介護1から要支援2に下がると62,340円、それぞれ下がります。
では、どうすればいいですか。
新しい認定で、今のケアプランが上限に収まるかどうかを、ケアマネジャーに確認してもらってください。収まらない場合の見直し方も、ケアマネジャーと一緒に考えます。使える量の上限が下がっても、必要な支援が減ったとは限りません。必要な支援が足りないと感じる場合は、次の節の「納得できないとき」を確認してください。
要支援になると、何が変わる?
要介護から要支援になると、ほかにも変わりますか。
まず、ケアプランの相談先が変わります。厚生労働省のページには、「「要支援1」「要支援2」の介護予防サービス計画書は地域包括支援センターに相談し、「要介護1」以上の介護サービス計画書は介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。」とあります。担当が替わる場合があるため、結果が届いたら、まず今のケアマネジャーに連絡してください。地域包括支援センターの役割は別の記事で整理しています。
福祉用具の貸与にも違いがあります。京都市のページでは、「軽度者(要支援1・2、要介護1)の方には、状態像から見て使用が想定しにくい7種目の福祉用具」は「原則として貸与できません。」とされています。対象は、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト、自動排泄処理装置(一部を除く)です。ただし、状態によって例外的に借りられる場合があります。要支援の方が使うサービスの種類は、介護保険で使えるサービスの種類で整理しています。
⚠️ 今使っている福祉用具は、結果が届いたら確認を
借りている車いすや介護ベッドが、新しい認定でも続けて借りられるかどうかは、ケアマネジャーや福祉用具の事業者に確認してください。例外の扱いは自治体によって異なる場合があります。
下がったという結果に、納得できないときは
結果に納得できないときは、どうすればいいですか。
中野区の案内では、「まずは契約しているケアマネジャーに相談し、サービス利用の観点から、結果の見直しが必要かどうかを確認します。」とされています。見直しが必要な場合は、区分変更の申請をします。水戸市は「要介護認定の有効期間内であっても、心身の状態が変化した場合には、現在の要介護度を見直すための区分変更申請を行う事ができます。」と案内しています。
結果に納得できないときの進め方
- ケアマネジャーに相談し、結果の見直しが必要かを確認する
- 見直しが必要なら、区分変更を申請する(申請の流れは介護保険の区分変更とは)
- 結果の理由を知りたいときは、市区町村の介護認定の担当窓口に説明を求める
- それでも納得できなければ、審査請求をする
審査請求の期限について、中野区は「認定結果通知を受け取った日から60日以内に、東京都に審査請求をすることができます。」としています。期限や窓口は自治体によって異なる場合があるため、結果通知書の案内を確認してください。
区分変更をしたら、さらに軽くなることはありませんか。
あります。区分変更の結果は、上がる・変わらない・下がるのどれもあり得ます。中野区では、「変更申請を行い「要介護」から「要支援」になった場合、特例として、新しい介護度は認定日(介護認定審査会が行われた日)から適用されます。」とされています。申請の前に、ケアマネジャーとよく相談してください。
「非該当」や「軽い」は、支援が要らないという意味ではない
介護度が下がると、もう支援は受けられないのでしょうか。
中野区は「結果が「非該当」になった、また認定が低いからといって、その人に支援が不要、または必要性が低いというわけではありません。」と説明しています。認定が軽くなっても、ほかの支援を使える場合があります。認定を受けること自体の注意点は、要介護認定を受けるデメリットはある?で整理しています。
どこに相談すればいい?
まず誰に相談すればいいでしょうか。
すでにケアマネジャーがいる方は、まずケアマネジャーに相談してください。要支援になった場合や、誰に相談していいか分からない場合は、地域包括支援センターが窓口になります。認定の仕組みは要介護認定とはをご覧ください。
相談時にそのまま使える質問メモ
- 今のケアプランは、新しい上限に収まりますか?
- 今借りている福祉用具は、このまま続けて借りられますか?
- 要支援になった場合、担当は誰に変わりますか?
- 結果の見直しは必要でしょうか。区分変更を申請したほうがいいですか?
- 結果に納得できない場合の、審査請求の期限と窓口を教えてください。
まとめ
| 項目 | 窓口 | 注意点 | 公式リンク |
|---|---|---|---|
| 介護度が下がる理由 | 市区町村の介護認定の担当窓口 | 身体状態だけでなく、認知機能や介護の手間で判断される | 春日市 |
| 居宅サービスの上限 | ケアマネジャー | 要介護度別に定められ、超えた分は全額自己負担 | 厚生労働省 |
| 要支援になったとき | 地域包括支援センター | ケアプランの相談先が変わる | 厚生労働省 |
| 福祉用具の貸与(要介護1まで) | ケアマネジャー・福祉用具の事業者 | 7種目は原則借りられない。例外あり | 京都市 |
| 結果への不服 | ケアマネジャー・市区町村 | 区分変更や審査請求ができる。期限や窓口は自治体で確認 | 中野区・水戸市 |
下がっても支援が要らなくなったわけではない、と分かって落ち着きました。まず、ケアマネジャーに今のケアプランが新しい上限に収まるか聞いてみます。
はい。結果の数字だけで決めず、今の生活に必要な支援が足りているかを、ケアマネジャーと一緒に確認してみてください。

