最近、母の足腰が弱ってきました。要介護認定を受けておいたほうがいいのか迷っています。認定を受けると、何かデメリットはありますか。
公式の資料で確認できる範囲では、認定を受けること自体の大きな不利益は見つかりません。ただし、時間がかかること、調査などの手間、結果が思った区分とは限らないこと、有効期間があって更新が必要なことは、あらかじめ知っておく必要があります。順に、公式の資料で確認します。
要介護認定を受けるデメリットはある?
結局、気をつけることは何ですか。
認定を受けるときに、知っておきたいこと
- 申請から結果の通知まで、原則30日以内かかる
- 市区町村の調査員による認定調査と、主治医意見書の手間がある
- 結果は希望どおりとは限らない(「非該当」になることもある)
- 認定には有効期間があり、続けるなら更新が必要
一方で、介護保険のサービスは認定を受けないと使えません。厚生労働省の介護サービス情報公表システムは「介護保険によるサービスを利用するには、要介護認定の申請が必要になります。」と説明しています。認定を受けないと、介護保険のサービスは使えない、ということです。
認定までに時間がかかる
申請してから、どのくらいで結果が出ますか。
厚生労働省の同じページには、「申請から認定の通知までは原則30日以内に行ないます。」とあります。結果が出るまでの間は、サービスを使い始める時期の判断が難しくなります。
結果が出る前にサービスを使いたいときは、どうなりますか。
中野区の案内では、暫定のケアプランを作れば結果が出る前でも使い始められます。ただし「ただし、要介護や要支援の認定を受けることができなかった場合には、かかった費用は全額自己負担となります。」とされています。結果が出る前の利用は、地域包括支援センターかケアマネジャーに相談してから決めてください。退院前の進め方は退院が決まったら在宅介護に向けて家族が進めておく準備で整理しています。
認定調査と主治医意見書の手間
申請したあとは、何をするのですか。
厚生労働省のページでは、「市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査を行います。」とされています。あわせて「主治医意見書は市区町村が主治医に依頼をします。」とあり、かかりつけ医がいない場合は市区町村の指定医の診察が必要です。意見書の費用については、同じページに「申請者の意見書作成料の自己負担はありません。」と書かれています。
調査では、何を伝えればいいですか。
中野区の案内では、家族の場合は「日ごろかかっている介護の手間の頻度やかかる時間、労力」を伝えるとされています。調査での伝え方は介護保険の区分変更とはでも整理しています。
結果が、思った区分とは限らない
認定を受けたのに、サービスが使えない結果になることはありますか。
結果が「非該当」になることはあります。中野区は「結果が「非該当」になった、また認定が低いからといって、その人に支援が不要、または必要性が低いというわけではありません。」と説明しています。厚生労働省のページにも、「「非該当」と認定された方でも、市区町村が行っている地域支援事業などにより、生活機能を維持するためのサービスや生活支援サービスが利用できる場合があります。」とあります。中野区は、担当区域の地域包括支援センターへの相談も案内しています。
結果に納得できないときは、どうすればいいですか。
流れは次のとおりです。自治体によって窓口や名称は異なるため、結果通知書の案内もあわせて確認してください。
結果に納得できないときの進め方(中野区の案内)
- 契約しているケアマネジャーに相談し、結果の見直しが必要かどうかを確認する
- 見直しが必要な場合は、変更申請の手続きを行う
- 結果に疑問がある、説明を聞きたいときは、市区町村の介護認定の担当窓口に連絡する
- それでも納得できない場合は、審査請求をする
審査請求の期限について、中野区は「認定結果通知を受け取った日から60日以内に、東京都に審査請求をすることができます。」としています。ほかの自治体でも期限や窓口が同じとは限らないため、お住まいの自治体の案内を確認してください。状態が変わったときの変更申請は、介護保険の区分変更とはをご覧ください。
有効期間があり、更新が必要
一度認定を受けたら、そのままですか。
認定には有効期間があります。厚生労働省のページでは、「新規、変更申請:原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)」、「更新申請:原則12ヶ月(状態に応じ3~48ヶ月まで設定)」とされています。そして「有効期間を経過すると介護サービスが利用できないので、有効期間満了までに認定の更新申請が必要となります。」とあります。
サービスを使っていなくても、更新しないといけませんか。
中野区の案内では、「直近のサービス利用予定のない場合は、更新の手続きは不要です。」とされ、サービスを利用する際にあらためて地域包括支援センターに相談する流れです。中野区の場合、更新が必要になるのは、サービスを使い続けるときです。有効期間と更新の全体像は要介護認定とはで整理しています。
認定を受けると、保険料や費用は変わる?
認定を受けると、保険料が上がったり、お金がかかったりしませんか。
65歳以上の介護保険料は、市区町村の基準額と本人や世帯の所得などの段階で決まり、要介護度は決まり方に入っていないことを、横浜市と町田市のページで確認しました。くわしくは介護度が上がるデメリットはある?にまとめています。
サービスの利用料は、使った分にかかります。厚生労働省のページは「限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)の自己負担です。」と説明しています。認定を受けただけで毎月の費用が決まるわけではなく、実際に使ったサービスに対して負担が生じます。
とりあえず、認定だけ受けておくのは?
すぐに使う予定はないのですが、念のため認定だけ受けておくのはどうでしょうか。
自治体の案内として、中野区の例を紹介します。ほかの自治体の考え方は窓口で確認してください。中野区は「介護認定は、「心身の状態が悪化した」ときではなく、「介護保険サービスを利用する」ときに申請するものです。」とし、「「不安なので一応うけておく」といったものではありません」と案内しています。理由として、「申請時期が早いと、サービス利用の前に認定の有効期間が切れたり、実際にサービスが必要になった際に、サービス量が足りなくなる場合があります。」という点を挙げています。
必要になってから申請して、間に合いますか。
同じ中野区の案内に、「認定は申請日から適用されますので、申請した日からサービス利用が可能です。」とあります。ただし、結果が出る前の利用には、前に書いた自己負担の注意があります。
⚠️ 次のような場合は、早めに相談してください
退院が決まっている、転倒や物忘れで生活が変わり始めている、介護する家族の負担が大きくなっている、といった場合は、様子を見るよりも、早めに地域包括支援センターに相談してください。認定を申請したほうがよいか、認定以外の支援で足りるかを、状況に合わせて一緒に考えてもらえます。
「いま必要か」「近いうちに必要になりそうか」を、自分だけで決めずに、相談の窓口で確認するのが確実です。
どこに相談すればいい?
まず誰に相談すればいいでしょうか。
すでにケアマネジャーがいる方は、まずケアマネジャーに相談してください。まだ介護保険を使ったことがない方は、地域包括支援センターが最初の窓口になります。使えるサービスの全体像は介護保険で使えるサービスの種類で整理しています。
相談時にそのまま使える質問メモ
- 今の状態で、要介護認定を申請したほうがいいですか?
- 申請してから結果が出るまで、何日くらいかかりますか?
- 結果が出る前にサービスを使いたい場合は、どうすればいいですか?
- 認定調査では、何を伝えておくとよいですか?
- 認定を受けない場合、使える自治体のサービスはありますか?
まとめ
| 項目 | 窓口 | 注意点 | 公式リンク |
|---|---|---|---|
| 認定までの期間 | 市区町村の介護保険担当窓口 | 申請から通知まで原則30日以内。結果前の利用は、認定されないと全額自己負担 | 厚生労働省・中野区 |
| 認定調査と主治医意見書 | 市区町村・かかりつけ医 | 調査員が訪問する。意見書は市区町村が主治医に依頼し、作成料の自己負担はない | 厚生労働省 |
| 結果への不服 | ケアマネジャー・市区町村 | 変更申請や審査請求ができる。期限や窓口は自治体で確認 | 中野区 |
| 有効期間と更新 | 市区町村・地域包括支援センター | 新規は原則6か月、更新は原則12か月。利用予定がなければ更新は不要(中野区) | 厚生労働省・中野区 |
| とりあえず認定 | 地域包括支援センター | 中野区は「一応うけておく」ものではないと案内。ほかの自治体は窓口で確認 | 中野区 |
認定そのものに大きなデメリットはなさそうで、少し安心しました。まず、地域包括支援センターに、今の母の状態で申請したほうがいいか聞いてみます。
はい。申請するかどうかは、相談の窓口で状況を話したうえで決めてみてください。
