車椅子はレンタルできると聞いたのですが、シャワーチェアは購入しないといけないと言われました。何が違うのでしょうか。
介護保険の福祉用具には、レンタルできる「福祉用具貸与」と、購入が原則の「特定福祉用具販売」の2つの制度があります。品目によって、どちらに当てはまるかが決まっています。
なぜ「レンタル」と「購入」に分かれているのか
特定福祉用具として購入扱いになっている品目には理由があります。「他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が伴うもの、使用によってもとの形態・品質が変化し、再利用できないもの」とされていて、直接肌に触れたり、衛生面で人から人へ貸し借りしにくいものが購入対象になっています。
なるほど、シャワーチェアや便座のようなものですね。
その通りです。それ以外の、繰り返し貸し出しても問題のないもの(車椅子や特殊寝台など)はレンタルの対象です。
対象品目の一覧
福祉用具貸与(レンタル)の対象
車いす(付属品含む)・特殊寝台(付属品含む)・床ずれ防止用具・体位変換器・手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト(つり具の部分を除く)・自動排泄処理装置
特定福祉用具販売(購入)の対象
腰掛便座・自動排泄処理装置の交換可能部・排泄予測支援機器・入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ)・簡易浴槽・移動用リフトのつり具の部分・固定用スロープ・歩行器(歩行車は除く)・歩行補助つえ(松葉づえを除く)
手すりや歩行器は貸与にも購入にも出てきますが、どちらになるんですか。
品目によっては、設置場所や種類によって貸与と購入の両方に分かれているものがあります(固定用スロープや、歩行車を除く歩行器など)。判断が難しい場合は、ケアマネジャーに確認してください。
費用の違い
レンタルと購入では、費用の仕組みも違うのでしょうか。
レンタルは月々の利用料の1〜3割(所得に応じて)を毎月負担する形です。購入(特定福祉用具販売)は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間で、合計10万円までを支給限度額として、その範囲内で1〜3割の自己負担になります。65歳以上の方は原則1割、一定以上の所得がある場合は2割、特に所得の高い場合は3割です。
⚠️ 購入は「償還払い」が基本
特定福祉用具販売は、いったん全額を支払ってから、あとで申請して払い戻しを受ける「償還払い」が基本です。ただし、購入前にケアマネジャーへの相談と「福祉用具サービス計画書」の作成、都道府県などの指定を受けた事業者からの購入が必要です。相談なしに自己判断で購入すると、対象外になることがあります。
どちらを選べばいいか迷ったら
車椅子を長く使うことになりそうなのですが、レンタルのままでいいのでしょうか。
対象品目が決まっているため「選べる」わけではなく、その用具がどちらの制度に当てはまるかで自動的に決まります。ただし、体格や状態の変化に合わせて用具を交換しやすいという点では、レンタルには利点があります。使い方や今後の見通しについては、ケアマネジャーに相談しながら決めるのがよいでしょう。
相談時にそのまま使える質問メモ
- 検討している用具は、貸与と購入のどちらの対象になりますか?
- 購入の場合、支給限度額(年間10万円)は他の用具とあわせた金額ですか?
- 今年度すでに他の特定福祉用具を購入している場合、残りの限度額はいくらですか?
- どの事業者から購入すれば対象になりますか?
まとめ
| 項目 | 福祉用具貸与(レンタル) | 特定福祉用具販売(購入) |
|---|---|---|
| 対象の考え方 | 繰り返し貸し出せるもの | 肌に直接触れる・衛生上の理由で貸し借りしにくいもの |
| 代表例 | 車椅子、特殊寝台、手すり、歩行器 | シャワーチェア、腰掛便座、簡易浴槽 |
| 費用の仕組み | 月額利用料の1〜3割を毎月負担 | 年間10万円までの範囲で1〜3割負担(償還払い) |
| 支払いのタイミング | 利用しながら都度負担 | 購入時に全額支払い、後日払い戻し |
品目ごとに決まっているんですね。うちの場合はどちらになるか、ケアマネに聞いてみます。
それが一番確実です。用具選びは、レンタルか購入かだけでなく、体の状態に合っているかも含めて専門職と相談しながら進めてください。