足腰が弱ってきた母のために車椅子を用意したいのですが、種類が多くてどれを選べばいいのか分かりません。
車椅子は、まず介護保険でレンタルできるかどうかを確認したうえで、本人の状態に合ったタイプとサイズを選ぶという順番になります。整理していきます。
レンタルできるのは原則要介護2以上
車椅子も介護ベッドのように、要介護度によって借りられるかどうかが決まるのですか。
はい。介護保険の福祉用具貸与で車椅子を借りられるのは、原則として要介護2以上の方です。要支援1・2、要介護1の方は、原則としてレンタルの対象外になります。
要支援・要介護1でも借りられる「例外給付」
母は要介護1なのですが、それでも借りる方法はありますか。
「日常生活の範囲で移動の支援が特に必要」と認められる状態や、日常的に歩行が困難であることが確認されれば、例外給付として借りられる場合があります。パーキンソン病やがん末期など、状態が変動しやすい病気で医師が必要と判断したときも対象に含まれることがあります。
例外給付を受けるまでの流れ
- 主治医から「車椅子が必要」という意見を得る
- サービス担当者会議で、専門職間で必要性を確認する
- ケアマネジャーが市区町村に例外給付を申請する
- 市区町村からの確認通知を受け取る
- 福祉用具サービス計画を作成し、利用を開始する
「念のため用意しておきたい」という理由だけでは認められにくく、歩行が困難な具体的な根拠が必要です。まずはケアマネジャーに相談してください。
タイプで選ぶ ― 自走式・介助式・電動
お店で見ると、自走式や介助式といった表示がありました。何が違うのですか。
主に3つのタイプに分かれます。
車椅子の主なタイプ
- 自走式: 後輪が大きく、本人がハンドリムを操作して移動する。上肢に力があり、自分で移動したい方向け
- 介助式: 後輪が小さく軽量でコンパクト。介助者が後ろから押して操作する。外出や通院での付き添いに向く
- 電動式: 操作レバーで走行できる。上肢の力が弱い方や、長距離の移動が負担になる方、介助者がいない時間帯にも自立して移動したい方向け
電動式は自立した移動の幅が広がる一方、操作の安全確認や周囲の環境(段差や交通量)も考慮する必要があります。迷う場合は、福祉用具専門相談員に自宅や外出先の環境を見てもらいながら相談するのが確実です。
サイズの合わせ方
サイズはどう選べばいいですか。
座面の幅は、お尻の最も広い部分に3〜5cm程度のゆとりを持たせるのが目安とされています。座面の高さは、足で床を蹴って自走する場合は足裏がしっかり床につく高さに、フットサポートを使う場合は膝の裏が圧迫されない高さに調整します。体格に合っていないと、姿勢が崩れたり、かえって移動がしづらくなったりするため、可能であれば実際に座って確認してから決めてください。
レンタル料金の目安
費用はどのくらいかかりますか。
介護保険を使うと、レンタル料金の1〜3割(所得に応じて)の自己負担になります。
レンタル料金の目安(1割負担の場合)
- 自走式・介助式: 標準的なもので月額460〜600円程度(全額では月額4,600〜6,000円程度)
- 電動式: 月額2,100〜2,800円程度(全額では月額20,000〜28,000円程度)
料金は事業者や機種によって幅があります。購入する場合は介護保険の対象外で全額自己負担となり、標準型でも3万〜10万円程度、電動タイプではさらに高額になることが多いため、体の状態が変化しやすい時期はレンタルのほうが交換しやすいという利点があります。レンタルと購入の使い分けの考え方は、福祉用具貸与と特定福祉用具販売の違いで詳しく整理しています。
どこに相談すればいい?
まず誰に相談すればいいですか。
担当のケアマネジャーに相談してください。福祉用具専門相談員が自宅や外出先の状況、体の状態を見たうえで、適したタイプとサイズを提案してくれます。まだケアマネジャーがいない方は、地域包括支援センターに相談してください。
相談時にそのまま使える質問メモ
- 今の要介護度で、車椅子はレンタル対象になりますか?
- 例外給付を申請する場合、何を準備すればいいですか?
- 自走式・介助式・電動、今の状態だとどれが合いますか?
- 自宅や外出先の環境(段差・通路の幅)に合っているか、見てもらえますか?
- 状態が変わった場合、機種の交換はスムーズにできますか?
まとめ
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 要介護2以上 | 原則どおり車椅子をレンタルできる |
| 要支援1・2、要介護1 | 例外給付の要件を満たせばレンタル可能 |
| 自分で移動したい・上肢に力がある | 自走式を検討 |
| 介助者が押して使う・外出や通院の付き添い | 介助式を検討 |
| 上肢の力が弱い・長距離移動が負担 | 電動式を検討 |
要介護度のことも、タイプの違いも分かって、相談の準備ができそうです。
はい。本人の体の状態と生活の場面の両方を考えながら、ケアマネジャーと一緒に選んでみてください。