家族

車椅子を新しく作りたいのですが、「補装具費支給制度」という言葉を初めて聞きました。前に紹介してもらった「日常生活用具」とは違うのでしょうか。

編集部

はい、名前は似ていますが別の制度です。どちらも障害のある方の生活を支える用具の費用を助成する仕組みですが、対象になる用具の性質や、支給の決め方が異なります。順番に整理します。

どんな制度なのか

編集部

補装具費支給制度は、身体障害者総合支援法にもとづく「自立支援給付」の一つで、身体の失われた機能を補ったり代わりに働いたりする用具について、購入・借受け・修理にかかった費用の一部を市区町村が支給する制度です。対象は、身体障害者手帳の交付を受けている方や、同程度の障害がある児童、難病患者等です。

補装具の対象品目の例

  • 視覚障害: 視覚障害者用安全つえ、義眼、眼鏡
  • 聴覚障害: 補聴器
  • 肢体不自由: 義肢、装具、車椅子、電動車椅子、歩行器、歩行補助つえ

日常生活用具とは何が違うのか

家族

紙おむつやストーマ装具は「日常生活用具」だと聞きました。何が違うのですか。

編集部

一番の違いは、用具の性質と、支給の決め方です。

補装具と日常生活用具の違い

  • 補装具: 身体に装着して長期間継続して使う、身体機能を補完・代替する用具(車椅子・義肢・補聴器など)。基準額や対象品目は全国共通の国の基準にもとづく
  • 日常生活用具: 日常生活の便宜を図るための用具(特殊寝台・紙おむつ・ストーマ装具など)。対象品目の詳細や基準額は市区町村の裁量による部分が大きい
編集部

たとえば車椅子は補装具、特殊マットは日常生活用具というように、同じ「用具の助成」でも分類が分かれています。日常生活用具給付等事業の詳しい仕組みは、日常生活用具給付等事業とはで解説しています。

自己負担はどれくらい?

家族

費用はどのくらい戻ってくるのでしょうか。

編集部

基準額の範囲でかかった費用について、原則1割が自己負担です。ただし所得区分によって負担の上限額が変わり、世帯の住民税所得割額が年間46万円以上の方は、原則として対象外になります(扶養親族がいる場合は控除があります)。

申請から支給までの流れ

家族

車椅子が壊れて困っているので、先に買ってしまってもいいですか。

編集部

それは避けてください。補装具費支給制度は、事前に申請して支給決定を受けてから購入するのが原則です。

⚠️ 購入前に必ず申請を

事前に申請し支給決定を受けてからでないと、補装具費の支給は受けられません。先に購入してしまうと、あとから申請しても対象外になります。検討している補装具があれば、購入前に必ずお住まいの区市町村の障害福祉窓口に相談してください。

申請の一般的な流れ

  1. お住まいの区市町村の障害福祉担当窓口に相談する
  2. 身体障害者更生相談所などによる判定(または医師の意見書)を受ける
  3. 申請書を提出する
  4. 市区町村による支給決定を待つ
  5. 決定後に補装具を購入・借受けする
  6. 費用を支払い、費用支給を受ける(自治体により代理受領方式の場合もある)
編集部

支給を希望する補装具の種類によって、判定の方法や必要な書類が変わります。具体的な流れは窓口で確認してください。

うちの自治体の制度を調べるには

家族

私の住んでいる自治体の制度は、どこで確認できますか。

編集部

地域から探すから、お住まいの都道府県・市区町村を選ぶと、掲載している制度が確認できます。たとえば練馬区の補装具費の支給や、前橋市の補装具費の支給のように、自治体ごとのページで詳細を確認できます。まだ掲載していない自治体もありますが、順次拡大しています。掲載がない場合は、お住まいの区市町村の障害福祉窓口に直接お問い合わせください。

窓口で確認したいことのメモ

  1. 検討している用具は、補装具と日常生活用具のどちらに該当しますか?
  2. 判定にはどのくらいの期間がかかりますか?
  3. 自己負担の上限額はいくらになりますか?
  4. 申請に必要な書類(医師の意見書など)はありますか?
  5. 修理や再交付の場合も、同じ手続きが必要ですか?

まとめ

項目内容
制度の位置づけ障害者総合支援法にもとづく自立支援給付の一つ
対象者身体障害者手帳所持者、同程度の障害がある児童、難病患者等
対象品目の例車椅子、義肢、装具、補聴器、歩行器など
自己負担原則1割(所得割46万円以上の世帯は原則対象外)
申請のタイミング購入前に申請し、支給決定を受けてから購入するのが原則
家族

日常生活用具とは別の制度だと分かって、混同せずに相談できそうです。

編集部

はい。似た名前の制度が並んでいて分かりにくいところですが、購入前に窓口へ相談するという基本さえ押さえておけば、大きな失敗は防げます。

出典・参考