ケアマネジャーから「日常生活用具給付等事業が使えるかもしれません」と言われたのですが、正直よく分かっていません。
名前が長くて分かりにくいですよね。かんたんに言うと、「障害のある方(児)の暮らしを楽にする道具を、市区町村が費用の一部を負担して用意してくれる制度」です。順番に見ていきましょう。
どんな制度なのか
この制度は、障害者総合支援法にもとづいて市区町村が行う「地域生活支援事業」のうち、必ず実施しなければならない事業(必須事業)の一つと定められています。目的は、「重度障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付又は貸与すること等により、福祉の増進に資すること」とされています。対象は日常生活用具を必要とする障害者、障害児です。
誰でも使えるわけではないんですね。
対象になるかどうかや、どの用具が対象になるかは、障害の種類や程度、お住まいの自治体によって異なります。
なぜ自治体によって内容が違うのか
うちの自治体と、他の自治体で条件が違うと聞いて驚きました。
それは制度の仕組み上、自然なことなんです。国が示している厚生労働省の告示では、対象となる用具の種目(種類)は全国共通で6分類に定められています。ただし、費用負担のうち利用者がいくら負担するかは「市町村の判断による」とされています。つまり、種目の大枠は共通でも、対象品目の詳細・基準額・自己負担の割合は自治体ごとに決められる仕組みになっているのです。
用具の6分類(国の告示による共通の枠組み)
- 介護・訓練支援用具(特殊寝台、特殊マットなど)
- 自立生活支援用具(入浴補助用具など、入浴・食事・移動の自立を支援する用具)
- 在宅療養等支援用具(電気式たん吸引器など)
- 情報・意思疎通支援用具(点字器、人工喉頭など)
- 排泄管理支援用具(ストーマ装具、紙おむつなどの衛生用品)
- 居宅生活動作補助用具(小規模な住宅改修を伴う用具)
在宅介護でよく関わってくるのは、②の入浴補助用具や、⑤の紙おむつ・ストーマ用装具などの衛生用品です。実際、横浜市の重度障害者(児)日常生活用具給付等事業や、川崎市の障害児(者)日常生活用具給付等事業でも、これらの品目が対象になっています。
申請から給付までの流れ
どうやって申請すればいいのですか。
市区町村長に申請し、市区町村が給付の決定をしたあとに、用具の給付を受けるという流れです。つまり、先に用具を購入してから申請するのではなく、申請して決定を受けてから購入・受領するのが基本の順番です。
⚠️ 購入前に必ず申請を
自己判断で先に用具を購入してしまうと、給付の対象外になることがあります。検討している用具があれば、購入する前に必ずお住まいの区市町村の障害福祉の窓口に相談してください。
申請の一般的な流れ
- お住まいの区市町村の障害福祉担当窓口に相談する
- 対象品目・障害要件・基準額を確認する
- 申請に必要な書類(医師の意見書が必要な場合もあります)を確認する
- 申請書を提出する
- 市区町村による決定を待つ
- 決定後に用具を購入・受領する
自己負担はどれくらい?
一般的には費用の1割程度を利用者が負担する形が多いですが、世帯の所得によって負担の上限が変わったり、所得が一定以上だと全額自己負担になったりする自治体もあります。この部分もお住まいの自治体で確認が必要です。
うちの自治体の制度を調べるには
結局、私の住んでいる自治体ではどうなっているのか、どこで調べればいいですか。
地域から探すから、お住まいの都道府県・市区町村を選ぶと、掲載している制度が確認できます。まだ掲載していない自治体もありますが、順次拡大しています。掲載がない場合は、お住まいの区市町村の障害福祉窓口に直接お問い合わせください。
窓口で確認したいことのメモ
- 検討している用具は、日常生活用具給付等事業の対象になりますか?
- 対象になる場合、自己負担はいくらくらいになりますか?
- 申請から給付の決定までは、どのくらいの期間がかかりますか?
- 申請に必要な書類(医師の意見書など)はありますか?
- 介護保険の制度と両方使える場合、どちらを優先すべきですか?
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の位置づけ | 障害者総合支援法にもとづく市区町村の必須事業(地域生活支援事業) |
| 対象者 | 日常生活用具を必要とする障害者・障害児 |
| 用具の分類 | 全国共通の6分類(介護・訓練支援用具、自立生活支援用具など) |
| 自治体差が出る部分 | 対象品目の詳細、基準額、自己負担割合(市区町村の判断による) |
| 申請のタイミング | 購入前に申請し、決定を受けてから購入・受領するのが基本 |
「自治体によって違う」のには、ちゃんと理由があったんですね。少しすっきりしました。
この制度は名前が難しいだけで、仕組みが分かれば使いやすくなります。分からないことがあれば、遠慮なく窓口で確認してみてください。