家族

私も70代で、同じく高齢の夫を介護しています。最近、体力的にきついと感じることが増えました。これは珍しいことなのでしょうか。

編集部

いいえ、珍しいことではありません。高齢者が高齢者を介護する「老々介護」は、今や在宅介護のなかでも多数派になっています。まず現状を整理したうえで、共倒れを防ぐために早めにできることをお伝えします。

老々介護は今や多数派

家族

実際、どのくらいの方が同じ状況にあるのでしょうか。

編集部

厚生労働省の調査によると、65歳以上の要介護者がいる世帯のうち、63.5%で主な介護者も65歳以上です。さらに、要介護者と介護者の両方が75歳以上という「超老々介護」の世帯も35.7%にのぼります。体力や身体機能が低下した高齢者が、排せつや入浴の介助まで担うのは負担が大きく、共倒れのリスクが高い状況だといえます。

認認介護というさらに難しい状態

家族

うちは今のところ大丈夫ですが、認知症が絡むケースもあると聞きました。

編集部

介護する側・される側の両方に認知症の症状がある状態は「認認介護」と呼ばれます。高齢夫婦の11組に1組が認認介護の状態にあるという試算もあります。この状態では、服薬管理や食事・栄養管理、お金の管理などが難しくなり、健康や生活に深刻な影響が出やすくなります。

共倒れのサインを見逃さない

家族

自分が限界に近づいているかどうか、どう判断すればいいですか。

編集部

疲れが積み重なると注意力が散漫になり、介護している側の転倒や誤嚥などの事故にもつながりかねません。「最近イライラしやすい」「眠れていない」といった変化があれば、それは体と心からのサインです。詳しいチェック項目は介護疲れで限界を感じたらで紹介しています。

今からできる対策

家族

共倒れを防ぐために、今からできることはありますか。

編集部

一人、あるいは夫婦だけで抱え込まず、外部の支援を早めに取り入れることが何よりの対策です。

早めに取り入れたい支援の例

  • 訪問介護・訪問看護(自宅に来てもらい、体力的な負担が大きい介助を任せる)
  • デイサービス(日中を施設で過ごしてもらい、その間に自分を休ませる)
  • ショートステイ(まとまった休息が必要なときに活用する)
  • 状況によっては、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどへの入居も選択肢に入れる
編集部

ショートステイは予約が取りにくいこともあるため、必要になってから探すのではなく、早めに動き始めることをおすすめします。詳しくはショートステイの空きが見つからないで紹介しています。認知症の影響で金銭管理や契約が難しくなってきた場合は、成年後見制度とはもあわせてご確認ください。

どこに相談すればいい?

家族

まず何から始めればいいでしょうか。

編集部

地域包括支援センターは、中学校区に1か所程度の割合で設置されている身近な相談窓口です。ケアマネジャーや保健師が、介護保険サービスの利用だけでなく、心身の状態についても無料で相談に応じてくれます。すでにケアマネジャーがいる方は、今の状況を率直に伝えてください。

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. 今の私たちの状況は、老々介護の中でも支援が必要な段階だと思いますか?
  2. 体力的な負担が大きい介助を、外部サービスに任せることはできますか?
  3. 認知症の症状が双方にある場合、まず何を優先して相談すべきですか?
  4. 施設入居も視野に入れる場合、どこに相談すればいいですか?
  5. 今のケアプランを見直す余地はありますか?

まとめ

状況主な対策
老々介護(65歳以上同士)早めに訪問介護・デイサービスなど外部支援を導入
超老々介護(75歳以上同士)特に負担が大きいため、支援の優先度を高くする
認認介護(双方に認知症)服薬・金銭管理などのリスクに注意し、専門職に早期相談
共倒れのサインがあるすぐに地域包括支援センターへ相談
家族

自分たちだけの問題ではないと分かって、少し気持ちが楽になりました。

編集部

はい。多くの家庭が同じ状況にあります。早めに支援を取り入れることが、結果的にお二人の生活を守ることにつながります。

出典・参考