父が急に歩けなくなり、通院の付き添いで仕事を休むことになりそうです。上司に何をどう伝えればいいのか、分かりません。
最初に伝えるのは、「家族の介護が必要になった」という事実です。厚生労働省のあらましでは、親が骨折などで歩行や食事に手助けが必要になったことを勤務先に申し出ると、勤務先は使える制度の案内と、利用の意向の確認をしなければならない、とされています(令和7年4月1日施行)。この記事では、誰に・いつ・何を伝えるか、場面別の例文、断られたときの相談先を順に整理します。制度の中身は介護休業・介護休暇とはにまとめています。
伝えるときの基本
- 最初に: 家族に介護が必要になった事実と、休みたい日・期間の見込み
- 誰に: 直属の上司。制度の相談は人事・総務担当
- 介護休暇: 口頭でも申し出られる。当日の電話でも取得を認めるべきとされている
- 介護休業: 開始予定日の2週間前までに、書面などで申し出る
誰に・いつ伝える?
まず誰に話すのがいいのでしょうか。
日々の勤務を調整するのは直属の上司なので、まず上司に事実を伝えるのが現実的です。そのうえで、制度の使い方や手続きは、人事・総務の担当者に聞きます。あらましには、介護に直面した旨を申し出た労働者に、事業主は、介護休業・介護両立支援制度等と申出先、介護休業給付金について個別に周知することが義務づけられた、と書かれています。申出を受けたら、勤務先から案内が出る流れです。
時期は、見通しが立った時点で早めに伝えるのが目安です。介護休暇は当日の連絡も可能ですが、介護休業は開始予定日の2週間前までに書面などで申し出る必要があります。
何を伝える?
病名まで話す必要はありますか。
制度の申出で明らかにする事項は、決まっています。介護休暇では、氏名、対象家族の氏名と続柄、休暇を取る日、対象家族が要介護状態にある事実です。診断書の提出は、制度を使う条件にはできないとされています(介護休業についての記載。介護休暇の要介護状態の定義は同じ)。病名の要否は、あらましには書かれていません。迷うときは、勤務先の担当者に「何を伝えれば手続きできるか」を聞いてください。
場面別の例文
実際の言い方の例が欲しいです。
事実を簡潔に伝える例です。会社の規程に合わせて言い換えてください。
通院の付き添いで休むとき(前日まで)
- 「父の介護が必要になり、○月○日の通院の付き添いで、介護休暇を取りたいです。」
- 「半日(または○時から○時まで)の予定です。業務の引き継ぎは、○日までに済ませます。」
- 「手続きに必要なことがあれば、教えてください。」
当日に急な連絡をするとき
- 「父が倒れ、今日は付き添いが必要になりました。介護休暇で休ませてください。」
- 「午前中の○○の件は、△△さんに引き継ぎをお願いしました。」
- 「書類が必要なら、あとで提出します。」
介護休業を相談するとき
- 「母の介護の体制を整えるため、介護休業を検討しています。」
- 「期間は○か月ほどを見込んでいます。手続きの流れと、必要な書類を教えてください。」
- 「業務の引き継ぎは、準備を始めます。」
介護休暇の申出は口頭でも可能で、当日の電話等でも取得を認め、書面は事後でも差し支えないとされています。証明書類を求められた場合も、事後の提出を可能にするなど、過重な負担にならないよう配慮することが示されています。
診断書は必要?
勤務先から診断書を求められたら、出さないといけませんか。
あらましには、介護保険の要介護認定の結果通知書や医師の診断書などの提出を、制度を使う条件とすることはできない、と書かれています。ただし、事業主は、対象家族の続柄や要介護状態にある事実を証明する書類の提出を求めることができるとされています。どの書類が必要か、いつまでに出せばよいかは、勤務先に確認してください。
パートや派遣でも伝え方は同じ?
介護休暇と介護休業は、日々雇用を除いて対象になります。パートも同じです。介護休暇の条件は介護休暇の条件で詳しく整理しています。
「休みがちで申し訳ない」と感じるとき
何度も休んでいて、申し訳ない気持ちがあります。
気兼ねを感じる方は多くいます。制度は、介護と仕事を両立できるように設けられたものです。休みがちになっている場合は、介護休暇だけでなく、短時間勤務や残業の制限など、ほかの両立支援制度や、介護保険サービスの利用で、休む回数を減らせることがあります。介護休業のデメリットはある?でも、使い切ったあとの選択肢を整理しています。
断られたとき、不利益な扱いを受けたとき
「忙しいから」と断られたら、どうなりますか。
労使協定の例外(週の所定労働日数が2日以下など)を除き、事業主は介護休暇・介護休業の申出を拒めません。また、介護休業などの申出や取得を理由とする解雇、降格、減給などの不利益な取扱いは禁止されています。
⚠️ 断られた・不利益な扱いを受けたと感じたら
育児・介護休業法に関する相談は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が窓口です。介護そのものの相談は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当課に聞けます。一人で抱え込まず、早めに相談してください。
相談時にそのまま使える質問メモ
勤務先に聞くときの質問メモ
- 介護休暇・介護休業の制度は、就業規則のどこに書かれていますか?
- 申出は口頭でよいですか。書類が必要なら、いつまでに出せばよいですか?
- 親の通院の付き添いでも、介護休暇を取れますか?
- 要介護認定を受けていない場合は、何を示せばよいですか?
- 当日に急な連絡をするとき、誰に連絡すればよいですか?
- 休業を検討しています。使える制度と、給付金の案内をもらえますか?
まとめ
| 場面 | 伝えること | 方法 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 通院の付き添い | 家族の介護が必要になった事実、休む日・時間 | 口頭でも可。当日の連絡も可 | 上司・人事 |
| 介護休暇 | 氏名、対象家族の氏名と続柄、取得日、要介護状態にある事実 | 口頭でも可 | 就業規則 |
| 介護休業 | 開始予定日と期間の見込み | 開始予定日の2週間前までに書面等 | 人事・総務 |
| 診断書 | 制度を使う条件にはできない | 証明書類は事後の提出も可 | 勤務先 |
| 断られた | 労使協定の例外を除き拒めない | 都道府県労働局に相談 | 雇用環境・均等部(室) |
病名よりも、介護が必要になった事実を、早めに伝えることが大事だと分かりました。
はい。迷うときは、人事・総務の担当者に「手続きに何が必要か」を聞くところから始めてください。

