家族

デイサービスもヘルパーも使わず、自分ひとりで母の介護をしています。介護保険料を払っているのに何も使っていないのが、少しもったいない気もしています。何か支援はないのでしょうか。

編集部

そのような状況の方向けに、「家族介護慰労金」という制度を設けている自治体があります。介護保険サービスをほとんど利用せずに、在宅で重度の要介護高齢者を介護している家族の労をねぎらう趣旨の給付金です。まず全体像を確認します。

この記事でわかる選択肢の全体像

  • 家族介護慰労金とは何か
  • 対象になりやすい要件の目安
  • 支給額の目安
  • 自治体ごとに要件が異なる理由
  • 相談先と、そのまま使える質問メモ

家族介護慰労金とは

家族

どういう制度なのでしょうか。

編集部

介護保険サービスを使わずに在宅で介護をしている家族に対して、年に一度、慰労金を支給する自治体独自の制度です。世田谷区の案内では、対象となる介護保険サービスの利用状況について「1年間介護保険サービスを利用せず(年間10日以内のショートステイ、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修の利用を除く)」という条件が示されています。つまり、福祉用具のレンタルなど一部のサービスは利用していても対象になる場合があるということです。

対象になりやすい要件の目安

家族

どのくらいの介護度なら対象になりますか。

編集部

世田谷区の例では、対象となる要介護度は「要介護2(認知症高齢者の日常生活自立度2以上に限る)又は要介護3以上」とされ、所得要件として「世田谷区内に住所があり、住民税が非課税世帯である」ことが被介護者・介護者双方に求められています。柏市の例では、「居宅で介護サービスを利用せず、医療機関に8日以上の入院をしていない要介護4・5の認定を受けている要介護高齢者の介護をしている家族」が対象とされており、要介護度の基準や入院日数の扱いが自治体によって異なることがわかります。

支給額の目安

家族

どのくらいの金額がもらえるのでしょうか。

編集部

世田谷区の例では「年額10万円」とされています。ただし、これは一つの自治体の例であり、金額は自治体ごとに設定が異なります。1回きりの給付ではなく、要件を満たし続ける限り、年ごとに申請・支給される仕組みになっていることが多いです。

⚠️ 要件・金額は自治体ごとに大きく異なります

家族介護慰労金は法律で全国一律に定められた制度ではなく、各市区町村が独自に実施している事業です。そもそも制度自体がない自治体もあります。この記事で紹介した世田谷区・柏市の例がそのままお住まいの地域に当てはまるとは限りません。まずはお住まいの自治体の高齢福祉担当窓口に、この制度があるかどうかから確認してください。

どこに相談すればいい?

家族

該当するかどうか、どこに聞けばいいでしょうか。

編集部

お住まいの市区町村の高齢福祉担当窓口(介護保険課など)が窓口になります。柏市のように「対象と思われるかたには市から申請書を送付します」と案内している自治体もありますが、案内が届かない場合もあるため、心当たりがあれば自分から問い合わせてみることをおすすめします。すでにケアマネジャーがついている方は、ケアマネジャーに聞いてみるのも一つの方法です。

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. お住まいの自治体に「家族介護慰労金」にあたる制度はありますか。
  2. 対象となる要介護度、所得要件、介護保険サービスの利用状況の条件を教えてください。
  3. 福祉用具のレンタルやショートステイを一部利用していても対象になりますか。
  4. 支給額と、申請から支給までにかかる期間はどのくらいですか。
  5. 毎年申請が必要ですか、それとも一度の申請で継続されますか。

まとめ

知りたいこと世田谷区の例柏市の例
対象の要介護度要介護2(認知症高齢者の日常生活自立度2以上に限る)又は要介護3以上要介護4・5
介護保険サービス利用年間10日以内のショートステイ・福祉用具貸与等を除き利用なし居宅で介護サービスを利用せず
入院の扱い記載なし(要問い合わせ)8日以上の入院なし
所得要件住民税非課税世帯(被介護者・介護者とも)記載なし(要問い合わせ)
支給額年額10万円記載なし(要問い合わせ)
家族

自治体によってこんなに違うのですね。

編集部

そのとおりです。だからこそ、まずはお住まいの自治体に制度があるかどうかを確認することが第一歩になります。介護保険サービスを使っていないからといって支援がないわけではない、ということを知っておいていただければと思います。

出典・参考