母がデイサービスや訪問介護をいくつも使うようになって、1か月の自己負担額が思ったより高くなってきました。何か軽減できる制度はありますか。
「高額介護サービス費」という制度があります。1か月に支払った介護保険サービスの自己負担額が、所得に応じた上限額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される仕組みです。
所得区分ごとの上限額
上限額はいくらくらいなのですか。
所得に応じて5段階に分かれています。
月額の負担上限額(1か月・世帯合計)
- 課税所得690万円(年収約1,160万円)以上: 140,100円
- 課税所得380万円〜690万円未満(年収約770万円〜1,160万円未満): 93,000円
- 同一世帯に住民税課税者がいる方(一般): 44,400円
- 世帯全員が住民税非課税の方: 24,600円(前年の年金収入等が一定額以下の方は、個人ごとに15,000円の上限も設けられる)
- 生活保護を受給している方など: 15,000円(個人)
一般的な所得の方(同一世帯に住民税課税者がいる場合)は、月額44,400円が目安になります。この上限額そのものは2021年8月の見直し以降、金額は変わっていませんが、非課税世帯の中でどちらの区分に該当するかを分ける基準となる年金収入等の金額が、2026年8月から80万9,000円から82万6,500円に引き上げられています。
世帯で合算できる
母だけでなく、同居している父も介護サービスを使っています。それぞれ別々に計算されるのですか。
いいえ、同じ世帯で複数の方が介護サービスを利用している場合は、世帯全体の自己負担額を合算したうえで上限額と比較します。上限額を超えた分は、それぞれの利用割合に応じて按分され、各人の口座に払い戻される仕組みです。
対象にならない費用もある
支払った費用が、全部この制度で戻ってくるわけではないのですか。
そうです。対象になるのは介護保険が適用されるサービスの自己負担分のみです。
⚠️ 対象外になる主な費用
施設利用時の食費・居住費、日常生活費、福祉用具の購入費、住宅改修費、支給限度額を超えて全額自己負担した分などは、高額介護サービス費の対象になりません。
申請方法と期限
どうやって申請すればいいですか。
上限額を超える自己負担があった場合、通常は市区町村から自宅に「支給申請書」が郵送されてきます。必要事項を記入して返送すれば、指定した口座に払い戻されます。一度申請すれば、その後は自動的に払い戻される自治体もあります。
⚠️ 申請には期限がある
高額介護サービス費の申請には、サービスを利用した月の翌月の初日から2年という時効があります。案内が届いたら早めに手続きしてください。
どこに相談すればいい?
まず何から始めればいいでしょうか。
通知が届いていない場合や、自分の所得区分がどれに当てはまるか分からない場合は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に確認してください。すでにケアマネジャーがいる方は、ケアマネジャーに相談しても案内してもらえます。
相談時にそのまま使える質問メモ
- うちの世帯は、どの所得区分に該当しますか?
- 今月の自己負担額は、上限額を超えていますか?
- 家族で合算する場合、手続きは別々に必要ですか?
- 申請書はいつ頃届きますか?
- 過去の月にさかのぼって申請することはできますか?
まとめ
| 所得区分 | 月額上限(世帯) |
|---|---|
| 課税所得690万円以上 | 140,100円 |
| 課税所得380万円〜690万円未満 | 93,000円 |
| 同一世帯に住民税課税者がいる(一般) | 44,400円 |
| 世帯全員が住民税非課税 | 24,600円(個人15,000円の場合あり) |
| 生活保護受給者など | 15,000円(個人) |
自動的に払い戻されるものだと思っていました。申請が必要だと分かってよかったです。
はい。案内が届いたら、期限内に忘れずに手続きしてください。分からないことがあれば、市区町村の窓口かケアマネジャーに確認してみてください。