家族

実家で一人暮らしの母に、自治体の見守りサービスを勧めたのですが、「まだ大丈夫」「監視されているみたいで嫌」と断られてしまいます。倒れていないか心配なのですが、どうすればいいでしょうか。

編集部

それは多くのご家族が経験する困りごとです。まず、この記事でわかる選択肢の全体像を確認しましょう。

この記事でわかる選択肢の全体像

  • 見守りを嫌がる・拒否する理由の考え方(自立心・プライド・プライバシーへの配慮)
  • 家庭でできる声かけの工夫
  • 抵抗感の少ない見守りの選択肢
  • 自治体の見守り制度
  • 相談先と、そのまま使える質問メモ

なぜ見守りを嫌がるのか、まず理由を考える

家族

なぜここまで嫌がるのでしょうか。

編集部

見守りサービスを断る背景には、「まだ自分で身の回りのことができる」という自立心や、長年一人でやってきたことへのプライドがあります。カメラやセンサーが「監視されている」ように感じられ、自分の生活領域やプライバシーが侵されるような不安につながることも少なくありません。認知症がある場合は、話の内容自体をうまく理解できず、不安から拒否という形で表れることもあります。

家族

「わがまま」というわけではないんですね。

編集部

そうです。国立長寿医療研究センターのQ&Aでも、介護拒否が強いときの対応として、その場は無理強いをするのではなく、本人の要求に耳を傾け、可能であればその通りにしてあげることが紹介されています。見守りサービスについても、同じ考え方が当てはまります。強引に導入を進めることは、本人との信頼関係を損ね、かえって支援を遠ざけることにつながりかねません。

⚠️ 「本人のため」の押しつけにならないように

心配のあまり本人の同意を得ずに見守りサービスを導入すると、監視されているという不信感につながりやすくなります。国立長寿医療研究センターのQ&Aでも、認知症の人への接し方の基本として、訂正や否定的な表現ではなく肯定的な表現を用いることが示されています。設置の目的や使い方を丁寧に説明し、本人の納得を得ながら進めることが大切です。

家庭でできる声かけの工夫

家族

具体的には、どう勧めればいいですか。

編集部

3つの工夫から試してみることをおすすめします。

今日から試せる3つの工夫

  • 「安全のため」ではなく「元気に暮らし続けるための備え」など、本人にとってのメリットとして伝える
  • 一度にすべてを決めようとせず、まずは電話や訪問など抵抗感の少ない方法から試す
  • 本人の生活リズムやペースを尊重し、急かさない
編集部

見守りカメラのように常に見られている印象が強いものより、電気やお湯の使用状況などから生活リズムをさりげなく把握するタイプの機器から検討するのも一つの工夫です。本人の抵抗感に合わせて、段階的に選択肢を広げていくことができます。

使える見守りの選択肢・自治体の制度

家族

実際に、どんな見守りの方法がありますか。

編集部

電話や訪問による見守り、緊急通報システム、センサー型の見守り機器など、選択肢は複数あります。たとえば東京都では、区市町村ごとに「高齢者見守り相談拠点」が設置されており、社会福祉士や介護支援専門員の資格を持つ相談員が、戸別訪問による実態把握や、地域包括支援センターと連携した支援のつなぎを行っています。まずは家族が本人に代わって、総合相談窓口に相談することもできます。

⚠️ 自治体によって内容が異なります

見守りサービスの種類や実施主体は、自治体ごとに異なります。この記事の内容は一般的な仕組みの説明です。お住まいの自治体の制度は「見守り」で使える制度・用具から確認してください。

どこに相談すればいい?

家族

工夫を試しても、本人が首を縦に振らない場合はどうすればいいですか。

編集部

次のようなサインがあれば、本人の同意を待つだけでなく、早めに専門職へ相談することをおすすめします。

専門職への相談を検討したいサイン

  • 電話や訪問をしても応答がないことが増えている
  • 食事や身の回りの管理が難しくなっているサインがある
  • 家族だけでは説得が難しく、対応に困っている
編集部

まずは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してください。家族からの説明だけでなく、専門職からタイミングを見て働きかけることで、本人が受け入れやすくなることもあります。認知症に関する専門的な相談窓口として、厚生労働省は「認知症の人と家族の会」による電話相談も案内しています。

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. 見守りを嫌がる場合、どんな伝え方が本人に受け入れられやすいですか?
  2. カメラを使わない、抵抗感の少ない見守りの方法はありますか?
  3. うちの自治体には、どんな見守り相談拠点や制度がありますか?
  4. 家族だけでは対応が難しい場合、どこに相談すればいいですか?
  5. 心配な兆候(応答がない、生活状況の変化など)があった場合、どう対応すればいいですか?

まとめ

状況主な選択肢相談先
なぜ嫌がるのか知りたい自立心・プライド・プライバシーへの配慮という理由を理解する(自己対応。国立長寿医療研究センターのQ&Aも参考に)
勧め方を見直したい本人にとってのメリットとして伝える、抵抗感の少ない方法から試す(自己対応)
抵抗感の少ない見守りを試したい電話・訪問、さりげない見守り機器地域包括支援センター
自治体の制度を知りたい見守り相談拠点、緊急通報システム市区町村の高齢福祉窓口
説得が難しく困っている専門職からの働きかけ地域包括支援センター
家族

「わがまま」だと思っていましたが、理由があったんですね。少し見方が変わりました。

編集部

見守りを嫌がる・拒否する背景には、本人なりの理由があります。この記事の質問メモを持って、まずは一度、地域包括支援センターに相談してみてください。

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