家族

紙おむつ代が毎月かさんでいて負担になっています。介護保険で出ないのでしょうか。自治体の助成があるとも聞いたのですが、よく分かりません。

編集部

紙おむつ代は、介護保険からは出ません。そのかわり、多くの自治体が独自に助成制度を設けています。ただし内容は自治体によってかなり違うので、まず全体の仕組みを整理します。

なぜ介護保険では紙おむつ代が出ないのか

家族

同じ「介護に必要なもの」なのに、なぜ対象外なのでしょうか。

編集部

介護保険がカバーするのは、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタル・購入といった「介護サービス」です。紙おむつのような消耗品は、食費や光熱費と同じく日常生活に必要な費用とみなされるため、介護保険の対象にはなりにくいとされています。そのため、紙おむつ代の負担軽減は、各自治体が独自の施策として行っているのが実情です。

自治体独自の紙おむつ助成制度 ― 内容は自治体でバラバラ

家族

自治体の制度はどこも同じような内容なのでしょうか。

編集部

いいえ、支給の方法も金額も、自治体によってかなり異なります。制度名も「高齢者紙おむつ給付事業」「介護用品支給事業」などさまざまです。

自治体の紙おむつ助成、主な支給方法

  • 現物支給: 紙おむつそのものが自宅に配達される方式
  • 利用券・給付券: 指定の店舗や事業者で紙おむつと交換できる券が交付される方式
  • 費用助成: 購入費の一部が助成される方式
編集部

対象になる要介護度、所得制限の有無、月あたりの上限額も自治体ごとに設定が違います。「自分の自治体にあるかどうか」「いくらまでか」は、必ずお住まいの自治体で確認する必要があります。

自治体によってこんなに違う(掲載自治体の例)

家族

どのくらい違うものなのか、具体例が見たいです。

編集部

当サイトに掲載している自治体の中から、いくつか例を挙げます。

自治体制度名支給方法・目安額
横浜市高齢者紙おむつ給付事業要介護4・5は月額上限8,000円、要介護1〜3で認定された方は月額上限6,000円
川崎市ねたきり高齢者等紙おむつ及び日常生活用具給付事業月額6,000円限度(生活保護受給者等は3,000円)
世田谷区紙おむつの支給・助成現物支給・月500円の自己負担(ポイント制)
福岡市おむつサービス所得段階により助成率が0〜100%(最大6,000円相当)に変動
さいたま市重度要介護高齢者紙おむつ等支給事業月6,000円限度の利用券(年間最大12枚)
京都市家族介護用品給付事業給付券1枚5,000円相当。申請月により交付枚数が変動
編集部

このように、同じ「紙おむつの助成」でも、月額上限が3,000円台から8,000円台まで幅があり、支給方法も現物・利用券・費用助成とさまざまです。お住まいの自治体の制度は、「排泄」の困りごとから探すページでまとめて確認できます。

障害のある方の紙おむつは別の制度

家族

障害のある子どもがいるのですが、同じ制度が使えますか。

編集部

障害者手帳をお持ちの方の紙おむつは、多くの場合「日常生活用具給付等事業」という別の制度の対象になります。こちらは高齢者向けの自治体独自助成とは仕組みが異なり、原則1割負担で、購入前の申請が必要です。制度の基本的な仕組みは日常生活用具給付等事業とはで詳しく解説しています。

医療費控除という選択肢

家族

助成とは別に、税金の面で軽減される方法はありますか。

編集部

自己負担で購入した紙おむつ代は、条件を満たせば医療費控除の対象になります。対象となるのは、6か月以上寝たきりの状態にあり、治療上おむつが必要と医師が認めている場合です。

おむつ代の医療費控除、必要なものの目安

  1. 初年度は医師が発行する「おむつ使用証明書」を用意する(令和6年10月からは、要介護認定の主治医意見書の内容を確認できる書類でも代用可能)
  2. 医療費控除の明細書とあわせて、確定申告時に税務署へ提出する
  3. 2年目以降は、当該年に作成された医師の意見書、または有効期間が13か月以上の意見書が必要になる場合がある
  4. 領収書の提出は不要だが、確定申告後5年間は保管する
編集部

横浜市のように、市が主治医意見書の内容を確認して「確認書」を発行してくれる自治体もあります。この場合、医師にあらためて証明書を書いてもらう必要がなくなります。お住まいの自治体に、同様の仕組みがあるか確認してみてください。

⚠️ 医療費控除の対象は自己負担分のみ

医療費控除は、実際に自分で支払った費用が対象です。自治体から現物支給を受けた紙おむつ分は、自己負担していないため対象になりません。制度を併用する場合は、どの費用が助成対象で、どの費用が自己負担かを分けて把握しておくと申告がスムーズです。

どこに相談すればいい?

家族

まず何から確認すればいいでしょうか。

編集部

お住まいの自治体に紙おむつ助成制度があるかどうかは、高齢者福祉の窓口や地域包括支援センターで確認できます。すでにケアマネジャーがいる方は、ケアマネジャーに聞くのが早道です。医療費控除については税務署や確定申告の相談窓口が対応します。

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. うちの自治体には紙おむつの助成制度がありますか?
  2. 支給方法は現物ですか、利用券ですか、費用助成ですか?
  3. 月額の上限や、所得による制限はありますか?
  4. 医療費控除の「確認書」を発行してもらえる仕組みはありますか?
  5. 障害者手帳がある場合、どちらの制度を使うのが合っていますか?

まとめ

制度対象特徴
自治体独自の紙おむつ助成主に高齢者(要介護度等の条件あり)現物支給・利用券・費用助成など方法も金額も自治体ごとに異なる
日常生活用具給付等事業障害者手帳をお持ちの方など原則1割負担、購入前申請が必要
医療費控除自己負担で購入した紙おむつ代6か月以上寝たきり+医師の証明等が条件
家族

介護保険で出ないと聞いて諦めていましたが、他にも確認すべき制度があると分かりました。

編集部

はい。自治体の制度は知らないと使えないものが多くあります。まずはお住まいの自治体の窓口で聞いてみてください。

出典・参考