子どもに発達の障害があるのですが、身体障害者手帳のような手帳は持っていません。「特別児童扶養手当」という制度があると聞いたのですが、手帳がなくても申請できるのでしょうか。
特別児童扶養手当は、障害者手帳の有無だけで対象が決まる制度ではありません。医師の診断書をもとに、都道府県・指定都市が定める基準で審査される仕組みです。まず制度の全体像を整理します。
この記事でわかる選択肢の全体像
- 特別児童扶養手当の対象になる条件
- 等級ごとの支給額(令和8年度)
- 所得制限の仕組み
- 申請に必要なものと窓口
- 混同されやすい「障害児福祉手当」との違い
- 相談先と、そのまま使える質問メモ
対象になる条件
具体的には、どんな子どもが対象になりますか。
厚生労働省の説明では、「20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます」。さいたま市の案内でも「障害者手帳を所持していなくても対象になる場合があります」と明記されており、手帳の有無ではなく、医師の診断書にもとづく障害の程度で判断されます。対象になる障害は身体障害に限らず、知的障害や精神障害(発達障害を含む)も含まれます。
次の場合は、支給が制限されます。
- 児童が、障害を理由とする年金を受給しているとき
- 児童が施設に入所しているとき(グループホームなど一部の施設を除く)
等級ごとの支給額(令和8年度)
金額はどのくらいですか。
さいたま市の案内では、「1級(重度障害児) 58,450円」「2級(中度障害児) 38,930円」とされています(令和8年度〈2026年度〉の額)。支給月は「毎年4・8・11月の各月」で、それぞれの前月分までがまとめて支払われます。等級は、提出した診断書の内容をもとに都道府県・指定都市が審査して決まり、身体障害者手帳や療育手帳の等級と必ずしも一致しません。
所得制限
所得によってはもらえないこともあると聞きました。
厚生労働省の説明では、「受給資格者(障害児の父母等)もしくはその配偶者又は生計を同じくする扶養義務者……の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません」。基準額は扶養親族の人数によって変わり、扶養親族がいない場合の受給資格者本人の所得額はおよそ459万6千円が目安です。家族構成によって基準額が変わるため、正確な金額は窓口で確認することをおすすめします。
申請に必要なもの
申請には何を用意すればいいですか。
さいたま市の案内では、「手帳(または診断書※所定の様式)、通帳、マイナンバーが分かるもの」に加えて、申請者本人の身元確認書類が必要とされています。手帳を持っていない場合は、障害の種類ごとに定められた様式の診断書が必要です。まず窓口で該当する様式を受け取り、かかりつけ医に作成を相談すると手続きがスムーズです。
申請までの流れ
- 市区町村の障害福祉(または児童福祉)窓口で、必要書類と診断書の様式を確認する
- 手帳がない場合は、様式に沿った診断書の作成をかかりつけ医に依頼する
- 通帳・マイナンバーが分かるものなど、必要書類をそろえて窓口へ申請する
- 都道府県・指定都市による審査を経て、認定されると手当が支給される
- 毎年8月に「現況届」を提出し、受給を継続する
⚠️ 毎年の「現況届」を忘れずに
特別児童扶養手当は、受給が決まったあとも毎年8月に「現況届」の提出が必要です。さいたま市の案内では「提出がないと8月分以降の手当が差し止められる場合があります」とされています。案内が届いたら、期限内に手続きしてください。
「障害児福祉手当」との違い
似たような名前の手当も見かけて、混乱しています。
特別児童扶養手当とは別に、「障害児福祉手当」という制度もあります。厚生労働省の説明では、障害児福祉手当は「精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給される」もので、月額は「16,560円」(令和8年度)です。特別児童扶養手当より対象が重度な子どもに限られ、金額も別に決まる制度です。両方の要件を満たせば、あわせて受け取れる場合もあります。どちらに該当するかは、窓口で診断書をもとに判断してもらうのが確実です。
どこに相談すればいい?
まず何から始めればいいでしょうか。
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口(児童福祉・障害福祉のセクション)に相談するのが最初の一歩です。手帳をすでに持っている場合は、手帳の写しをもとに申請できることが多く、持っていない場合は診断書の様式を窓口で受け取り、かかりつけ医に相談してください。療育手帳や身体障害者手帳の取得を先に検討したい場合は、療育手帳(愛の手帳)とはや身体障害者手帳とはもあわせてご覧ください。
相談時にそのまま使える質問メモ
- うちの子どもは、特別児童扶養手当の対象になりそうですか。
- 手帳を持っていない場合、診断書はどの様式を使えばいいですか。
- 所得制限の基準額は、うちの家族構成だとどのくらいですか。
- 障害児福祉手当も対象になりそうですか。あわせて申請できますか。
- 現況届は、いつ・どこに提出すればいいですか。
まとめ
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 対象は? | 20歳未満で精神または身体に障害のある児童を養育する父母等。手帳がなくても対象になる場合がある |
| 支給額は? | 1級 58,450円/2級 38,930円(令和8年度、月額) |
| 支給月は? | 毎年4・8・11月 |
| 所得制限は? | あり。扶養親族の人数によって基準額が変わる |
| 障害児福祉手当との違いは? | 対象がより重度な子どもに限られる別の制度。あわせて受け取れる場合もある |
手帳がなくても対象になることがあると分かって、少し安心しました。まずは窓口に相談してみます。
はい。診断書の様式を確認したうえで、かかりつけ医と窓口の両方に相談しながら進めてください。