家族

母の食欲がなく、最近は食事を残すことが増えました。好きだったものにも手をつけず、体重も落ちてきたようで心配です。

編集部

それは気がかりなことですね。食欲が落ちる背景にはいくつかの理由が考えられ、それぞれに合わせた工夫があります。むせる・飲み込みにくいといった食べ方そのものの困りごとは自分で食事がしにくくなってきた家族への対応で扱っていますので、ここでは「量が減った・食べたがらない」という食欲そのものの困りごとを中心にお伝えします。

この記事でわかる選択肢の全体像

  • 食欲が落ちる理由の考え方(体の不調・薬の影響・味やにおいの変化・心理的な要因)
  • 家庭でできる工夫(量を減らして回数を増やす・環境を整える・無理に勧めない)
  • 公的サービス(配食サービス・訪問栄養食事指導)
  • 相談先と、受診を検討したいサイン
  • そのまま使える質問メモ

体重減少が続く場合

食欲不振が数週間続いている、体重減少が目立つ、水分もあまり摂れていないといった場合は、この記事の工夫だけで様子を見ず、かかりつけ医への相談を検討してください。この記事は日常の工夫と相談先の紹介にとどめており、原因の診断や治療の判断はできません。

まず、食欲が落ちる理由を考える

家族

なぜ急に食べなくなってしまったのでしょうか。

編集部

国立長寿医療研究センターの解説では、高齢者の食欲低下にはいくつかの要因が挙げられています。胃や腸の病気など体の不調が背景にある場合もあれば、加齢によって飲み込む力が弱まり一度に食べられる量が減る、味やにおいを感じにくくなる、運動不足や加齢で胃腸の働き自体が落ちる、といった要因もあります。ストレスが消化管の働きに影響することも紹介されています。

家族

体の不調とは限らないのですね。

編集部

そのとおりです。だからこそ、量が減ったこと自体を問題視して無理に食べさせようとするより、まず「今日は食べられそうか」を確認しながら、次にお伝えする工夫を試してみることをおすすめします。

⚠️ 無理に食べさせようとしない

食欲がないときに量や品目を強く勧めると、食事の時間そのものへの抵抗感が強まることがあります。認知症のある方の介護拒否が強い場面では、その場で無理強いをせず、本人の様子を優先することが大切だとされています。まずは無理をさせない姿勢が土台になります。

家庭でできる工夫

家族

具体的には、どんな工夫ができますか。

編集部

国立長寿医療研究センターの解説では、食欲を増進させる工夫として、家族との会話を楽しみながら食べること、一度にたくさん盛り付けず少しずつ小出しにして出すこと、食べやすく柔らかいものを取り入れること、規則正しい生活と適度な運動を心がけることが挙げられています。

今日から試せる3つの工夫

  • 一皿の量を減らし、食べきれたという達成感を作ってから、必要に応じて少しずつ追加する
  • 香りの強い汁物やだしの効いた料理など、においで食欲を引き出しやすいものを取り入れる
  • 家族と同じ時間・同じ場所で食べる、テレビを消して会話をするなど、食事の場の雰囲気を整える
編集部

あわせて、体を動かす機会を増やすことも、食欲そのものを取り戻す助けになるとされています。散歩や座ったままできる体操など、無理のない範囲で日中の活動量を増やす工夫も選択肢の一つです。

公的サービスという選択肢

家族

自分たちの工夫だけでは限界を感じています。

編集部

毎食の調理や声かけが負担になっている場合は、公的サービスを組み合わせる方法もあります。栄養バランスの取れた食事を届けてもらえる配食サービスは、多くの自治体が実施しており、安否確認を兼ねているところもあります。また、管理栄養士が自宅を訪問して食事内容を助言する訪問栄養食事指導が使える場合もあります。配食サービスの詳しい内容は自分で食事がしにくくなってきた家族への対応にまとめています。

⚠️ 自治体によって内容が異なります

配食サービスの有無や自己負担額、対象要件は自治体ごとに異なります。お住まいの自治体の制度は「食事」で使える制度・用具から確認してください。

どこに相談すればいい?

家族

結局、最初に誰に相談すればいいのでしょうか。

編集部

国立長寿医療研究センターの解説でも、自己判断で様子を見続けるのではなく、医師や管理栄養士に相談することがすすめられています。すでにケアマネジャーがいる方はケアマネジャーへ、まだ介護保険を使っていない方は地域包括支援センターへの相談から始められます。次のようなサインがあれば、早めの受診・相談を検討してください。

受診・相談を検討したいサイン

  • 食欲がない状態が数週間以上続いている
  • 体重の減少がはっきりわかる、衣類がゆるくなった
  • 水分もあまり摂れていない、ぐったりしていることが多い

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. 食欲が落ちている原因として、どんなことが考えられますか?
  2. 今の状態で、受診したほうがいいタイミングはいつ頃ですか?
  3. 配食サービスや訪問栄養食事指導は、この地域で使えますか?
  4. 食事の工夫について、管理栄養士に相談する方法はありますか?
  5. 薬の副作用で食欲が落ちている可能性はありますか?

まとめ

状況主な選択肢相談先
原因を知りたい体の不調・薬の影響・味やにおいの変化という理由を理解するかかりつけ医
家庭で工夫したい少量ずつ出す・においを工夫する・食事の場を整える(自己対応)
調理や声かけの負担を減らしたい配食サービス・訪問栄養食事指導ケアマネジャー・地域包括支援センター
体重減少や水分不足が心配早めの受診かかりつけ医
家族

食べないことを問題視しすぎず、少しずつ試してみます。

編集部

食欲の波は誰にでもあることですが、体重減少や水分不足のサインがあれば、様子を見続けずに相談することが大切です。この記事の質問メモを持って、まずはかかりつけ医かケアマネジャーに相談してみてください。むせ・飲み込みにくさが気になる場合は自分で食事がしにくくなってきた家族への対応もあわせてご覧ください。

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