家族

最近、母がご飯を食べるのに時間がかかるようになり、むせることも増えました。食事のたびに心配で、どうすればいいのかわかりません。

編集部

それは気がかりですね。食べる量や時間、むせの頻度が変わってきたときは、まず食べ方や食事の形を見直すことから始められます。あわせて、公的なサービスや専門職に相談できる選択肢もあります。順番に整理します。

この記事でわかる選択肢の全体像

  • 食形態(かたさ・とろみ)の見直しという工夫
  • 姿勢や介助の仕方という工夫
  • 配食サービスという公的サービス
  • 訪問介護の食事介助という制度
  • 専門職への相談先と、そのまま使える質問メモ

むせや飲み込みにくさが続く場合

むせこみや食事量の低下が続く場合、それが体調の変化のサインであることもあります。この記事は日常の工夫と相談先の紹介にとどめており、原因の診断や治療の判断はできません。気になる症状があれば、まずかかりつけ医や歯科医、管理栄養士に相談してください。

食形態(かたさ・とろみ)を見直す

家族

食べ物のかたさを変えるだけで、そんなに違うものでしょうか。

編集部

農林水産省は、噛むことや飲み込むことに配慮した食品を「スマイルケア食」として整理しています。「噛むことに問題がある方向けの食品」には黄マーク、「飲み込むことに問題がある方向けの食品」には赤マークが表示され、市販の介護食を選ぶ際の目安になります。ふだんの食事を作る際も、食材を小さく刻む、やわらかく煮る、とろみをつけるといった工夫で、食べやすさが変わることがあります。

編集部

ただし、農林水産省自身も「この選び方にかかわらず、食べることについて気になることがあれば、まずは専門職(医師、歯科医師、管理栄養士等)にご相談ください」としています。自己判断でとろみの濃さや食材のかたさを大きく変える前に、一度専門職に見てもらうと安心です。

姿勢や介助の仕方を見直す

家族

食べ方そのものも見直したほうがいいのでしょうか。

編集部

椅子に浅く腰かけて前かがみになっていたり、逆に顎が上がった姿勢で食べていたりすると、むせやすくなることがあります。背もたれのある椅子に深く座り、足の裏が床につく高さに調整する、テーブルの高さを肘が楽な位置に合わせるといった環境の調整は、家庭でも取り組みやすい工夫です。

編集部

一口の量を小さめにする、飲み込んだのを確認してから次の一口を運ぶといった介助のペースも、むせを減らす助けになることがあります。ただし、これらは一般的な工夫であり、症状の背景にある原因への対応ではありません。日常的にむせが多い場合は、後述の専門職に相談し、その方に合った介助方法を確認することをおすすめします。

公的サービス: 配食サービス

家族

食事の準備自体が難しくなってきました。何か手助けはありますか。

編集部

多くの自治体が、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯向けに配食サービスを実施しています。たとえば高松市の配食見守りサービス事業では、市内在住65歳以上でひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯、調理や買い物が困難な方を対象に、昼食または夕食を自宅へ配達しながら安否確認もあわせて行っています。費用は弁当代実費が基本ですが、「市民税非課税の方には、1食につき200円助成します(週2回まで)」という助成もあります。

⚠️ 配食サービスの内容は自治体ごとに異なります

対象者の要件、助成額、利用できる回数は自治体によって大きく異なります。この記事で紹介した高松市の例がそのままお住まいの地域に当てはまるとは限りません。お住まいの自治体の高齢福祉担当窓口や地域包括支援センターに、配食サービスの有無と対象要件を確認してください。

制度: 訪問介護の食事介助

家族

ヘルパーさんに食事の介助をお願いすることはできますか。

編集部

訪問介護には「身体介護」と「生活援助」という区分があります。横浜市が公開している訪問介護の解説では、「食事・入浴・排せつ・着替えなど、身体に直接触れて行う介護」を身体介護、「掃除・洗濯・食事の準備など、日常生活における身のまわりのサポート」を生活援助としており、食事介助は身体介護に、食事の準備(調理・配下膳)は生活援助にそれぞれ区分されると説明されています。

編集部

つまり、ヘルパーが食事を口元まで運ぶ介助をしてもらう場合と、調理だけをお願いする場合とでは、介護保険上の扱いが異なります。どちらが必要か、要介護度に応じてどこまで利用できるかは、ケアマネジャーに相談してケアプランに組み込んでもらう形になります。

どこに相談すればいい?

家族

いろいろな選択肢があることはわかりましたが、まず何から相談すればいいでしょうか。

編集部

食べ方や飲み込みそのものが心配な場合は、かかりつけ医や歯科医、管理栄養士への相談が入り口になります。配食サービスや訪問介護の利用については、要介護認定を受けている方はケアマネジャー、まだ認定を受けていない方は地域包括支援センターが窓口です。

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. 最近むせることが増えたのですが、食事の形やとろみの付け方を見直したほうがいいですか。
  2. 自宅でできる姿勢や介助の工夫はありますか。
  3. お住まいの地域に配食サービスはありますか。対象要件と費用はどのくらいですか。
  4. 訪問介護で食事介助を利用する場合、ケアプランにどう組み込めますか。
  5. 症状が続く場合、どの専門職(歯科医・管理栄養士・言語聴覚士など)に相談すればいいですか。

まとめ

状況主な選択肢相談先
噛む・飲み込むことが難しくなってきた食形態(かたさ・とろみ)の見直し、スマイルケア食などの活用かかりつけ医・歯科医・管理栄養士
むせが増えてきた姿勢・介助ペースの見直し専門職への相談(自己判断で大きく変えない)
食事の準備が難しい自治体の配食サービス自治体の高齢福祉担当窓口・地域包括支援センター
食事介助そのものを頼みたい訪問介護(身体介護)の利用ケアマネジャー
家族

まずは食べ方の工夫だけでもと思っていましたが、専門職への相談も含めて考えたほうがよさそうですね。

編集部

そのとおりです。工夫だけで様子を見るのではなく、気になる変化があれば早めに専門職につなぐことが、結果として家族の負担を減らすことにもつながります。

出典・参考