必要だと思って、先に入浴補助用具を自費で買ってしまいました。あとから「日常生活用具給付等事業」という制度があると知ったのですが、今からでも申請できますか。
結論から正直にお伝えします。多くの自治体で、購入後の申請は原則として受け付けられません。つらいお気持ちはよく分かりますが、まずは制度の仕組みと、今できることを一緒に整理しましょう。
なぜ「購入前」でないといけないのか
どうして後からではだめなんでしょうか。
この制度は、市区町村に事前に申請し、審査を受けて決定が出たあとに用具を受け取る、という順番で設計されています。実際に複数の自治体の案内には、次のように明記されています。
⚠️ 自治体の案内に明記されている原則
「申請は、必ず用具の購入前又は修理前に行ってください。購入後又は修理後の申請はできません。」(石川県金沢市)
「給付を受けようとする場合、事前に申請が必要です。用品購入後の申請は受付できません。」(香川県高松市)
審査では、対象者の要件を満たしているか、その品目が対象になるか、所得に応じた自己負担はいくらかなどを、購入前に確認する必要があります。順番が逆になると、この確認ができないまま用具だけが手元にある状態になってしまうため、多くの自治体で「購入後は対象外」という運用になっています。
先に買ってしまったら、もう何もできないのか
では、今回のことはもう諦めるしかないのでしょうか。
原則は原則として、まずはお住まいの区市町村の障害福祉の窓口に、正直に事情を伝えて相談してみてください。自治体や状況によって対応が変わる可能性はありますし、少なくとも「次に使える制度」を教えてもらえます。また、用具そのものとは別の制度として、紙おむつなど一部の品目は医療費控除の対象になる場合があります。購入した品目によって使える制度が異なるので、あわせて確認してみるとよいでしょう。
窓口で確認するとよいこと
- 今回の購入について、個別の事情として相談できる余地はあるか
- 今後、同じ用具や別の用具を購入する予定がある場合、どう進めればよいか
- 購入した品目が、医療費控除など他の制度の対象にならないか
- 今回は対象にならなくても、次回以降スムーズに申請するには何が必要か
次から失敗しないために
今後、他の用具が必要になったときは、どうすればいいですか。
「欲しい」と思った時点で、まず窓口に相談することを習慣にしてください。用具を選ぶ前の相談で問題ありません。
購入前に必ず確認する手順
- お住まいの区市町村の障害福祉担当窓口に、検討している用具を伝えて相談する
- その用具が給付の対象品目かどうかを確認する
- 対象の場合、申請に必要な書類(医師の意見書が必要な場合もある)を確認する
- 指定を受けた事業者から見積書をもらう
- 申請書を提出する
- 決定通知が届いてから、初めて発注・購入する
この順番さえ守れば、同じ失敗を繰り返さずに済みます。迷ったときは「買う前に一本、窓口に電話する」というルールを決めておくと安心です。
どこに相談すればいい?
今回の件も含めて、まずは誰に相談すればいいでしょうか。
お住まいの区市町村の障害福祉担当窓口(高齢・障害支援課、障がい福祉課などの名称が多いです)が最初の相談先です。すでにケアマネジャーや相談支援専門員がついている場合は、そちらに相談してもらうと、窓口とのやり取りをスムーズに進められることもあります。
まとめ
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| これから用具を購入したい | 購入前に必ず窓口へ相談し、申請→決定を経てから購入する |
| すでに購入してしまった | 窓口に事情を相談する。今回は対象外でも、他の制度(医療費控除等)や次回以降の申請方法を確認する |
| 制度の対象かどうか分からない | 品目名を伝えて窓口に確認する。購入前であれば何度でも相談してよい |
今回のことは仕方ないとして、次はちゃんと先に相談します。
それが一番大切な心構えです。「まず窓口に一本」を、これからの合言葉にしていただければと思います。