家族

父が最近、浴槽をまたぐときにふらついて怖いです。転倒が心配なのですが、何から手をつければいいでしょうか。

編集部

またぎにくさの原因によって、合う対策が変わります。浴槽用手すりや浴槽台といった用具で対応できる場合もあれば、住宅改修で浴室そのものを使いやすくする方法もあります。まずは選択肢の全体を整理します。

またぎにくさのタイプ別に用具を選ぶ

家族

どの用具を選べばいいのか、種類が多くてよく分かりません。

編集部

「立つことはできるがまたぐときの安定が不安」「浴槽が深くて足が上がらない」「座ったまま移動したい」など、困っている場面によって向いている用具が異なります。

またぎにくさのタイプ別の用具

  • 立位は保てるが、またぐ動作でバランスを崩しやすい → 浴槽の縁に取り付ける浴槽用手すり
  • 浴槽が深く、またぐ高さそのものがつらい → 浴槽内に置いて段差を作る浴槽台(浴槽用手すりとの併用が勧められています)
  • 立位でのまたぎ動作自体が難しい → 浴槽の両縁に渡し、座ったまま出入りするバスボード
  • 上記でも難しい → 機械で身体を持ち上げて浴槽に移す入浴用リフト
編集部

なお、浴槽用手すりは浴槽の厚みや素材によっては取り付けられない場合があり、バスボードは座位が不安定な場合は手すりとの併用が難しいこともあります。用具を選ぶ前に、ケアマネジャーや福祉用具の専門相談員に本人の状態を見てもらうことをお勧めします。

用具の購入は介護保険の対象になる場合がある

家族

これらの用具は自費で買うしかないのでしょうか。

編集部

浴槽用手すりや浴槽台などの入浴補助用具は、介護保険の「特定福祉用具販売」の対象になる場合があります。年間10万円までを上限に、所得に応じて7〜9割が払い戻される仕組みです。対象品目や購入の具体的な手順は、介護保険で入浴補助用具を購入する手順で詳しく整理しています。

住宅改修という選択肢: 手すり設置・段差解消

家族

用具だけでは対応しきれない場合はどうすればいいですか。

編集部

浴室に固定の手すりを取り付けたり、段差を解消したりする住宅改修という方法もあります。介護保険の住宅改修費は、要介護度に関わらず20万円が上限で、所得に応じて7〜9割が給付されます(自己負担は1〜3割)。手すりの取付け、段差の解消、滑り防止のための床材変更などが対象です。

⚠️ 住宅改修は工事前の申請が必須

住宅改修は、工事を始める前に市区町村への事前申請が必要です。申請前に着工してしまうと、介護保険の給付を受けられない場合があります。必ずケアマネジャーに相談してから業者を決めてください。

住宅改修の手続きの流れ

住宅改修を利用するときの流れ

  1. ケアマネジャーに相談し、改修内容を検討する
  2. 「住宅改修が必要な理由書」の作成と、事業者の見積書を取得する
  3. 工事前に市区町村へ事前申請する
  4. 審査・承認を受ける(確認済通知など)
  5. 承認後に工事を実施する
  6. いったん費用を支払う
  7. 領収書等をそろえて事後申請し、給付分の払い戻しを受ける
編集部

20万円の枠を1回で使い切る必要はありません。まず手すりだけを設置し、残りの枠を後日の改修に使うこともできます。また、要介護区分が3段階以上上がった場合や転居した場合は、改めて20万円までの給付を受けられます。

どこに相談すればいい?

家族

まずは誰に相談すればいいでしょうか。

編集部

すでにケアマネジャーがいる方はケアマネジャーへ、まだ介護保険を使っていない方は地域包括支援センターへ相談してください。用具か住宅改修か迷う場合も、専門相談員が自宅の状況を見たうえで提案してくれます。

相談時にそのまま使える質問メモ

  1. またぐ動作が不安なのですが、浴槽用手すりと浴槽台のどちらが合いますか?
  2. 用具と住宅改修、どちらを先に検討したほうがいいですか?
  3. 住宅改修の事前申請には、どのくらい日数がかかりますか?
  4. 今回手すりだけ設置した場合、残りの改修費の枠は後で使えますか?
  5. 用具のレンタルと購入では、どちらがこの状況に合いますか?

まとめ

状況主な選択肢上限・自己負担
またぐときのバランスが不安浴槽用手すり(特定福祉用具販売)年間10万円まで・1〜3割負担
浴槽が深くて足が上がらない浴槽台(特定福祉用具販売)年間10万円まで・1〜3割負担
立位でのまたぎ動作が難しいバスボード(特定福祉用具販売)年間10万円まで・1〜3割負担
浴室そのものを使いやすくしたい住宅改修(手すり設置・段差解消)20万円まで・1〜3割負担、工事前の事前申請必須
家族

用具だけでなく、住宅改修という方法もあると分かって、選択肢が広がりました。

編集部

はい。どちらか一方に決めつけず、本人の状態と自宅の環境に合わせて組み合わせることもできます。まずはケアマネジャーに相談してみてください。

出典・参考